森琴石の「松谿読書図」が展示 (京都府八幡市立松花堂美術館)= 5月25日(土)~7月7日(日)

2019年5月18日 更新

 

 京都府八幡市立松花堂美術館 
「ご存知ですか? 大坂画壇 」展 
・・・森琴石の「松谿読書図」が展示

 

展覧会の概要は、八幡市立松花堂庭園・美術館 2019年初夏展
のホームページから転載させて頂きました。
http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev494 )

 

2019年5月31日付、松花堂庭園・美術館のブログ
木陰から見守っているのは…<作品紹介 ③>と題した文章が掲載されましたので、下方に転載させて頂きました。

 

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ご存知ですか? 大坂画壇

江戸・京都と並んで、江戸時代の三大都市として栄えた大坂の町。
大坂の繁栄を支えた町人たちは、経済面だけでなく、文化面においても主な支持基盤となりました。
個性的な戯画で知られる耳鳥齋、上京して松村景文に学び、大坂に四条派の写生を広めた西山芳園、琳派絵師の中村芳中など、大坂の町に生まれ、また集った絵師たちを総称して「大坂画壇」と呼びます。大坂を舞台として活躍をした絵師たちの画風は狩野派から戯画まで幅広く、個性に満ちています。
この度の展覧会では、バラエティに富んだ大坂画壇の作品約40点を、個人コレクションよりご紹介いたします。

会期 : 2019年525日(土)~77日(日)
・開館時間 : 午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
・休館日  : 月曜日
・入館料  : 一般400円・学生300円・18歳以下無料(大学生除く)
(20名様以上団体割引)

☆展覧会プレミアムトーク <お抹茶とお菓子付き!>
 5月26日(日)、6月9日(日) 各日午後2時より、約50分
◎講習室で抹茶とお菓子をいただきながら、展覧会の見どころを
聴いてみませんか(約20分)。
その後は展示室に移動して、作品を見ながらポイント解説を
おこないます(約約30分)。

◎講 師 : 影山 純夫 (当館学芸顧問)
◎参加費 : 1,000円(観覧料・抹茶・お菓子代込み)
◎定 員 : 各回10名
◎申込方法: 事前にお電話、FAXまたはご来館にて受付
*展示室での解説(各日午後2時30分頃より)は申込不要・要観覧料

展覧会の詳細については、「主要な催し物」ページをご覧ください。

森琴石「松溪読書図」は左下です

八幡市松花堂美術館展覧会 案内

 

■松花堂庭園は 国指定の 史跡・名勝です。絵画鑑賞と共に是非ご覧頂けたらと思います。
但し平成30年6月ア8日に発生した”大阪北部地震”の被害のため、松花堂庭園は外園のみ開催。詳しくは電話にてお問合せ下さい。
・お問い合わせ : 八幡市立松花堂庭園・美術館
Tel:075-981-0010/Fax:075-981-0009

 

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2019年6月下旬、森家が美術館を訪問した際、作品の閲覧と”森琴石ブログ”への画像の掲載許可を頂いてい
ましたので、川端先生の文章の中ほどに、4つの画像を掲載させて頂きました。
主任学芸員の川端薫先生には大変お世話になりました。

 

【美術館】木陰から見守っているのは…<作品紹介 ③>2019-05-31 18:14:35
テーマ:美術館

今日は5月の最終日。令和となって最初のプレミアムフライデーとのことでしたが、ちょっと不安定なお天気の1日となりました

明日からの週末は今のところお天気となりそうですが、お出かけのご予定はお決まりですか??緑が深くなってきた松花堂庭園、そして初夏展「ご存知ですか?大坂画壇」を開催中の松花堂美術館へ、ぜひ遊びに来てくださいね

 さて、そんな初夏展の作品紹介でも、松花堂庭園と同様に緑の美しい作品を取り上げたいと思います。今回ご紹介するのは、森琴石 筆「松溪読書図」(個人蔵)です。

背後の高い山から流れてくる水のそばで、一人の人物が読書にふけっています。背景の山は、陽があたっているのか美しい薄緑色をしている一方、彼を取り囲んでいる松は深い緑色をしていて、画面全体が緑のグラデーションで彩られています。静かな水の流れと、ゆっくりと紙をめくる音が聞こえてきそうな、そんな作品です。

一見すると、画面の中で少し開けたところにいる人物だけが描かれているようですが、実はそのそばに、木陰でお茶を点てている侍者が描かれています。

 

森琴石筆「松谿読書図」(個人蔵)
・・・・・・・・明治37年  甲辰夏日寫於読画盧南窓下 琴石森熊

森琴石 松谿読書図 明治37年

松谿読書図(森琴石・明治37年)

 松谿読書図  人物部分                       

松花堂 森琴石 人物(煎茶準備)松谿読書図 箱   

木陰に腰掛けた彼は、風炉釜を団扇で仰ぎつつ、主人の様子を伺っているようです。ちょうどいいタイミングでお茶を入れようとしているのでしょうか。読書をしている人物よりもずっと年齢は下のようですが、そっと見守っているような優しげな視線が感じられます。どことなく、二人の信頼関係も伝わってくるようですね。

 南画家として知られる森琴石は、幕末に生まれ、近代に活躍した絵師です。晩年には、文展の審査員をつとめたり、帝室技芸員に選ばれたりもしました。とても静かな雰囲気の作品でありながら、鑑賞者の心をぐっと掴む力もある作品を、ぜひご堪能くださいなお、この作品は6月9日(日)までの展示となります。どうぞお見逃しなく

 

その6月9日(日)に開催する2回目のプレミアムトークも、残席わずかとなってまいりました。参加をご希望の方は、お早めにお申し込みくださいね

リンク:松花堂庭園・美術館HP

 

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余談
★「松花堂昭乗」の4つ切り塗箱をヒントに松花堂弁当を考案した「吉兆」の創業者の湯木貞一氏が昭和52年に発行した豪華な料理書「吉兆」は、入江泰吉氏が写真を撮り、凝りに凝った製販を筆者の父(野村廣太郎)が手掛けた。当時 大卒社員の初任給が約9万円の時代、8万円するこの料理本は大きな反響を呼び、6000部たちまち売切れとなった。元船場吉兆は、森琴石が若い頃に住んだ-高麗橋の住所の隣だったようです。
20年近く前、森琴石の住所をたどって現地を訪れた際、琴石の元住所には教会が建っていて、その隣が料亭”吉兆”でした。少なからずご縁があるようです。
●森琴石の下絵に「松花堂猩々翁」の模写画が残されています。

 

 

 

 

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