2013年11月18日 更新
平成25年12月8日~平成26年2月11日
「日本の文人画と鉄斎」展
森琴石・胡鉄梅の作品も展示
■10月末、宝塚市立図書館より「第2回聖光文庫文化講座」と「展覧会」の案内状をご送付頂きました。
■聖光文庫は、清荒神清澄寺のご厚意により同境内にある「鉄斎美術館」の入館料で購入した美術関係の図書・資料の寄贈を受け設立され、毎年、寄贈が続けられています。
■聖光文庫の文化講座第1回目(https://blog.morikinseki.com/?p=898)では、大阪大学総合学術博物館館長の橋爪節也先生が、森琴石についても取り上げて頂きました。
■第2回目の講座と共催の展覧会の展示リストに貴重な情報があることに気づきました。
「森琴石」「胡鉄梅」の作品が含まれている事、作品の旧所蔵者が「石崎家」と書かれていることです。
■森琴石と旧蔵者との関係、森琴石と胡鉄梅の足跡を知る手がかりとなる情報で、これらは今後の課題にしたいと思います。
以下、案内状の文面より概要をご紹介致します。
■講座内容
「京都中国学と富岡鉄斎・謙蔵父子」
講師 礪波 護氏(京都大学名誉教授)
「鉄斎の妙心寺聖澤院書院障壁画《巖栖谷飲図》を見る」
講師 仲谷 伸生氏(関西大学東西学術研究所長・文学部教授)
◍両講座とも「推薦図書」を交えたお話もあるそうです。
◍講座終了後、聖光文庫のご案内があります。
日時: 12月8日(日)午後1時10分~4時
会場: 宝塚市立中央図書館2階集会室(阪急清荒神駅前)
聴講無料(受講証は発行しません)
申し込み:10月28日(月)~ 先着順受付(定員100名)
電話・FAX・中央図書館窓口にて受付
宝塚市立中央図書館 ℡:0797-84-6121・FAX:0797-81-0598
主催:鉄斎美術館 宝塚市立中央図書館(聖光文庫)
後援:清荒神清澄寺
※「推薦図書」など、詳しくはpdf版案内チラシをご覧ください
( http://www.library.takarazuka.hyogo.jp/news/seikoukouza2.pdf)
講師ご紹介
礪波 護(となみ まもる)氏
日本の歴史学者。京都大学名誉教授、大谷大学教授。専門は東洋史で、特に三国時代から隋唐代の中国史。師である宮崎市定をはじめとする東洋史学者についての論考も多数ある。
文学博士(1987年、京都大学)。
大阪府東大阪市出身。(by ウィキペディア)
※礪波護先生監修の『論語絵本』
森 華(訳・絵)礪波護(監修)/2010,4,25/京都新聞社/1575円/B5版/160P
中国の思想家・孔子の教えが記された「論語」を、絵本感覚で親しめるように新しくまとめた。現代に通
じる約90章を選び出し、身近な八つのテーマに分けてわかりやすく紹介。また鮮やかな挿絵が孔子の教
えを感覚的にも伝えている。生きる道を模索していた人々が、人生を変えるほどのことばに出合う一冊。
(京都新聞企画事業株式会社の書物紹介文によります)
中谷伸生氏
1981年本学大学院哲学(美学美術史)専攻博士後期課程単位修得後退学。
大坂画壇の研究で博士(文学)。
三重県立美術館学芸課長を経て現職。
専門は日本近世近代絵画史、岡倉天心の芸術論、現代美術批評。
1999年から2000年にかけてロンドンの大英博物館で研修。
近年は耳鳥齋の戯画や木村蒹葭堂周辺の文人画家を東アジアの文化交渉学の観点から研究。
著書に『大坂画壇はなぜ忘れられたのか-岡倉天心から東アジア美術史の構想へ-』(醍醐書房、2010年)。
(関西大学アジア文化研究センター HPより)
鉄斎美術館と宝塚市立中央図書館との共催企画展
「日本の文人画と鉄斎」
会期 :平成25年 12月8日(日)~平成26年2月11日(火・祝)
会館時間:午後10時~午後5時
休館日 :水曜日・第2金曜日
会場 :宝塚市立中央図書館聖光文庫
展覧会の見どころ
日本の文人画の祖祇園南海、大成者とされる池大雅・与謝蕪村、最後の文人と謳われる富岡鉄斎までを、清荒神清澄寺と聖光文庫所蔵の肉筆画・図書資料を交えて紹介。
江戸時代から近代までの日本の文人画の世界をコンパクトな展示空間「聖光文庫」でお楽しみいただけます。
展示リスト(概要)
肉筆 7点
複製・印刷 9点
関連図書 5点
※作品目などの詳細は展示pdf版チラシをご覧下さい
(http://www.library.takarazuka.hyogo.jp/news/seikoutenji%20nihonnobunjingatotesaiten.pdf)
■肉筆絵画7点中「森琴石」「胡鉄梅(森琴石と親交)」の画あり
■石崎家旧蔵品(現清荒神清澄寺蔵)
森琴石、胡鉄梅の足跡を知る作品
森琴石「桜桃図」(明治16年・石崎家旧蔵品)
胡鉄梅「渓岸秋思図」(明治時代・石崎家旧蔵品)
胡鉄梅=「森琴石HP 索引(こ)」より 胡鉄梅・胡鐡梅 でご検索ください
■石崎家=松山‐石崎汽船創始者
(http://www.cul-spo.or.jp/matsu_bunkyo/006sonota/saijiki/pdf/14.pdf)をご覧下さい
石崎家=元は廻船業を営む
森家との繋がりは?
森琴石と廻船業=、「平成10年10月」「平成15年9月・平成15年10月」等に記述
■「三津の魚市図」・「砥部」など、鉄斎との共通の足跡あり
三津の魚市場
「平成14年7月http://www.morikinseki.com/chousa/h14.htm#h1407」に記述
■砥部
「砥部焼きと森琴石・胡鉄梅」
「平成16年11月 http://www.morikinseki.com/chousa/h1611.htm■2番目」
「平成16年12月 http://www.morikinseki.com/chousa/h1612.htm」等に記述
富岡鉄斎美術館
村越英明館長とのご縁
●「有馬の名宝」展開催中の、平成10年10月17日、鉄斎美術館を訪問致しました。
「鉄斎の下絵」が展示されているという新聞の記事を見ての事です。
同館にお電話し「森琴石の資料がそちらに何か御座いませんか?」と当時の館長村越英明先生にお訊ね致しました。
11月14日に同館を再度訪問する事として、その間に関係資料があるかどうか調べて頂く事にしました。
14日当日、村越先生は丁寧に私共をお迎えして下さいました。
●村越館長と面識はありませんでしたが、昭和53年、私の父野村廣太郎が描いた「大阪百景」が大阪市立美術館で展覧会が開催され、翌年の昭和54年に「大阪百景180点」を大阪市立美術館に寄贈。
その両方で色々お世話して頂いたのが村越英明先生だったのです。
実は当時東京から千葉に転居して間もない私共には、これらの情報は知らされなかったのです。
(53年4月私の母妙子が急逝した事、私共の子供がまだ幼かった事等が理由)
実際に観覧した分けではないのですが、当時の新聞の記事などから推測して父の「大阪百景」はかなり話題になったようです。
●村越先生とのお話のきっかけとして、僭越ながら私の父の事を申し上げると、先生はかなり驚かれましたが、より親しみを持って接して下さいました。
●『有馬の名宝』展の図録や、『森琴石翁遺墨帖 乾坤』をお見せしながら
「森琴石の作品は少ししか無いのです。この遺墨帖に載っている作品も現在は2つくらいしか有りません」と申し上げると、
「森琴石はこういう絵を描いていたのですか! なかなかしっかりした良い絵を描いていますね・・・」と。
又「残念ながら森琴石に関する資料は当館では見当たりませんでしたが、今後出来るだけ心がけておきましょう」とも言って下さいました。
尚また「骨董店で森琴石の作品が売り出されたら、出来るだけ買っておいた方が良いですよ」との助言も頂きました。
●その後村越先生とはお目にかかる事は無く、先生は2010年5月に急逝されました。
同年12月半ば『森琴石作品集』は刊行出来ましたが、とうとう村越先生に見て頂く事は叶いませんでした。
●「清光文庫」では『森琴石作品集』刊行直後、同文庫に所蔵して頂いたようです。
改めまして
村越英明先生のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、
鉄斎美術館、聖光文庫様のご協力及びご厚意に感謝申し上げます。