2011/12/17更新
【黄 超曾】・・・見落としていた交流者
・・・「月ヶ瀬真景図」に【黄 超曾(吟梅)】が署簽を!!・・・・
●森琴石が明治15年3月、月ヶ瀬に行きスケッチをした。
宿舎の「騎鶴楼」の襖に詩文を寄せ、画帖に詩画を揮毫した。画帖の詩文は襖のものと同じ。
●11月13日に開催された「農務省 内国絵画共進会」には、そのスケッチを元に描いた「月ヶ瀬真景図」を出品し、褒状を受賞した。
●明治16年、当時森琴石が親密に交際していた「衛 鋳生」「胡 鉄梅」「陳 曼寿」ら、来日中国文人達に「月ヶ瀬真景図」に跋文を揮毫してもらった。
●掛け軸を巻き終えたところに、一部文字が消えた箇所や、名前と思われる消えかかった文字がある。以前から「誰だろう?」と気にしていたが、跋文の揮毫者にばかり気を取られ、こちらの方には注意が全く及ばなかった。
●先日、来年1月7日より国立京都博物館で開催される「中国近代絵画と日本」展に出品される「月ヶ瀬真景図」を引き取りに来られた。その折、同館の 呉 孟晋(くれ もとゆき)研究員に、消えかった名前の部分の読みをお尋ねしたところ「黄 超曾」と読めるとの事でした。黄超曽とは黄吟梅の事である。
●署簽には「癸未」の年号がある事から、明治16年に書かれたものでる事から、跋文と同じ頃に揮毫されたものと思われる。
★「黄 超曾」 資料
1:『東瀛游草』
黄超曾著・光緒11(明18)
東京都立図書館、実藤文庫[実0012]所蔵
2:『琉球小志並補遺附説略』
黄超曾著・光緒9(明16)
沖縄県立図書館貴重資料デジタル書庫 所蔵
メモ
●黄超曾と黄超会とは同人物の可能性あり
∵黄超会 資料
早稲田大学図書館 宮島誠一郎文書目録2156に「東瀛游草徴東京緒名家題字啓」(作成:黄超会)の資料料あり、東瀛游草・・・という書名が同じ。
◆上記図書館は、黄超曾の曾を、會(会)と読み違えられたようです。