2021年4月4日 更新
『植学啓蒙』=響泉堂刻書誌 やっと入手出来ました
■森琴石 調査情報【平成21年 11月】 (morikinseki.com) でご紹介の『植學啓蒙』という書誌が、12年目にようやく入手出来ました。
■植学とは、西洋植物学を本草学 と区別するために津山藩)の藩医で蘭学者宇田川榕庵が初めて用いたという。
■『植学啓蒙』は 米人グレイの植物学初歩(A.Gray,How Plants Grow: Botany for young peoples and common schools.)を基本としたもの。植物学の通論。
■訳者松本駒三郎は、明治13年、小石川植物園に雇われ、伊藤圭介、賀来睦之を助けて植物を調べるかたわら事務を担当、明治十五年まで在職した人物である。
■森琴石は動物、植物、博物学者との関りはかなりあったようだ。
■森琴石【響泉堂】が手掛けた訳本には ジュール・ベルヌの『月世界旅行』、『新訳聖書』、「達爾頓氏生理学図式」などあり、この方面の解明も今後必要と思われます。
森琴石HPご紹介ヵ所
●d-4.jpg (271×400) (morikinseki.com
●森琴石 作品紹介 銅版画 (morikinseki.com)
●<大阪森響泉堂銅刻>:『達爾頓氏生理書図式』(明治11年4月刊)扉の下方 | 森琴石 What’s New (morikinseki.com)
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『植学啓蒙』 概要
著者 :グレイ(アサ・グレイ=アメリカの著名な植物学者)
抄訳 :松本駒次郎 抄訳
出版社 :文栄堂
出版人 :前川善兵衛
版権免許 :明治12年11月15日
出版年月日:明治13年4月(1880年)
大阪響泉堂刻(上巻 扉下)
サイズなど:3冊(上51,丁 中54丁 下39丁) 縦22cm x横15cm
挿図 :210
画像
(お断り:画像にばらつきがあります)
表紙 上、中、下 左:扉 右:表紙裏
上 扉下(大阪響泉堂刻)
緒言(上巻 1丁)
此ノ書米人クレイ氏著ハス所ノ「ハウ、プランツ、グロー」草木成長如何又「ボタニー、フォール、ヤング、ピープル、エンド、コンモンスクールス」幼年生及ヒ小学校用植物書ト題スル書ヲ原トシ傍ラ他書ヨリ抄出シテ篇ヲ成シタリ児童等ニ依ラハ植學之一班ニ了知スルヲ得ン
明治十二年10月十日
目次
第154、155図(下巻 4丁)
奥付
版権免許 明治12年11月15日
抄訳人 堺県士族 松本駒三郎
当時近江国滋賀郡白玉町8番地
出版人 大阪府平民 前川善兵衛
府下東区南久宝寺町4丁目35番地
松本駒次郎について
科学者、博物学者
明治13年 小石川植物園に雇われ、伊藤圭介、賀来睦之を助けて植物を調べるかたわら事務を担当、明治15年まで在職した=『日本博物学史』(上野益三著・平凡社・昭和48年)
松本駒三郎の著書・訳書 (国立国会図書館蔵書検索)
「格物地誌.」(ワレン他,明9)
「健全論 」(文栄堂.明12.11)
「動物小学」(松本栄三郎,錦森閣, 明14.8)
「植物小学字解」(錦森閣, 明15.8)
「動物小学字解 」(錦森閣, 明15.8)
「理化入門」( ホウッカル他, 明20.10)
「鉱物学教科書」(コリンス他,嵩山堂, 明23.12)
「蒸気機関篇」(松本駒次郎,松本栄三郎. 嵩山堂, 明23.6) 他
森琴石HPでの記述
森琴石 調査情報【平成19年 1月】 (morikinseki.com)
【1】」・響泉堂刻教材(掛図)・小石川植物園日誌に名(★1番目参照)
関連人物=加藤竹斎・服部雪斎・田中芳男・伊藤圭介・久保弘道など
その他 博物学=永田方正 森琴石 調査情報【平成17年 1月】 (morikinseki.com)
森琴石「響泉堂」 雅友・知友(な~の) (morikinseki.com)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・参考(国文学研究資料館のデータ)
●巻上
●総論 / 1
●第一章 植物ノ成育及ヒ機器ヲ論ス
●第一条 植物ノ機器 / 1
●第二条 種子ノ萌芽 / 6
●第三条 葉幹ノ萌芽 / 16
●第四条 根幹葉ノ種類 / 27
●第二章 植物ノ増殖ヲ論ズ ※以下、巻中
●第一条 孳息ノ芽ニナルコト / 1
●第二条 孳息ノ種子ニナルコト / 3
●第三条 花 / 4
●第四条 果実及ヒ種子 / 24
●第三章 植物ノ成長スル所以及ヒ其功用ヲ論ス / 35
●第四章 植物ノ分科ヲ論ス
●第一条 分科 / 48
●第二条 自然分科法 / 50