門弟 山名友石著『珍花図譜』:芸艸堂での出会い

204年6月8日 更新

 

門弟 山名友石著『珍花図譜』:芸艸堂での出会い

 

珍花図譜』
・・・
大胆な構図、洗練された色使い

●あいにく身近に『珍花図譜』が無く実画像をお見せする事が出来ませんが、
インターネットの画像検索で、古書店での画像が出ていますのでアドレスをご紹介させて頂きます。 
(但し該当古書の売買成約時に画像は削除されると思います)
グーグル画像検索でも一部ご覧頂けます。
●私共は喉から手がでるほど欲しい書物ですが、13万~18万円台と高価なので、森琴石資料を優先に求めるべき立場ですので、未だ入手出来ずにいます。

『珍花図譜』の画像
赤尾照文堂 様
http://shobundo.jp/blog/shopping/2001/05/post_501.html

http://shobundo.jp/blog/shopping/2008/02/post_203.html

天牛書店 様
http://www.tengyu-syoten.co.jp/book/102070

 

『珍花図譜』との出会い

平成13年6月
京都寺町通りの美術街…古書店からの帰り道に「芸艸堂」の看板が
   「芸艸堂」にて:版木の倉庫を案内頂く
           明治24年刊「新編墨場必携 : 題画詩集」が出版されたいた

●平成13年(2001)年)6月の半ば、元NHK経済記者の大塚融先生にご紹介頂いた「船場大阪を語る会(会長:三島佑一氏)」で知り合った、郷土史家の木村邦夫先生から「東京で開催される古書画市(正式名不明)に森琴石の作品が載っています。出品者は京都のGという古書店です。まだ東京に出品する前だから問い合わせてみられてはいかがですか?」とご連絡を頂きました。

●早速G店に問い合わせをしたところ「まだ東京に発送していませんが、間もなく準備に取りかかります」との事でした。
●森琴石の作品が少ない為、あちこち探している最中でしたので「発送される前に是非作品を見せて頂きたい」と依頼したところ、「宜しいですよ、それならば20日の4時頃にお越し下さい」との返事を頂きました。

●6月20日、4時の約束まで時間の余裕があるのでG店に行く前に「佐々木竹苞書楼」という
古書店に立ち寄ったところ、森琴石の絵画も収録されている『南画早学 12冊』という古書を
見つけました。高額なので先ずは取り置きをして頂く事にしました。後日振り込みをした上で同
著を送付頂いたのです。

話は逸れますが、
この「竹苞書楼」ですが、かなりのすぐれものの古書があるのです何度か通っているうちに我が家でも良く利用しているWEBサイトでの古書通販より少し安価で入手出来る事が分かり、市役所や三条近辺に行った折には、必ず立ち寄るようにしていました。以来、惣四郎氏からは達筆な墨字の賀状を毎年頂くようになりましたが、もう何年前の事でしょうか、代がご子息に変わられたようですね。
近辺には「赤尾照文堂」等古くからの古書店があり古書店のはしごも致しましたし、インターネットからの取り寄せでもしばしば利用しています。

●6月20日の午後4時頃、G店に赴き依頼していた森琴石の作品を見せて頂きました。美しい着色山水図だったと記憶しています。価格は20万円くらいだったでしょうか?
応対して下さった方はご主人では無く、ご子息と思われる高校生くらいの方が、私が見終わるのを立って待たれている様子でしたので、年号をメモし森琴石の作品を確認させて頂くにとどまりました。
G店は古書数が少なかったようですが、せっかくなので今後の参考の為にと明治時代の教科書を一冊買って店を出ました。

●G店に若干の”不親切?”を感じての帰り道、辺りを見回しながら歩いていますと、目の前に「芸艸堂 うんそうどう 」の看板が飛び込んできたのです。木版美術印刷で非常に有名な会社だという事は以前から知っていましたので、吸い込まれるようにして入口にと向かって行きました。ドアを開けると事務所にお二人の紳士が座っておられました。
●先ずは私の方から「突然ですが、私は森琴石という明治時代の大阪の画家の子孫(の嫁)で、目下森琴石に関する諸情報、資料を収集しています。用事で通りがかったのですが、芸艸堂様と知り思わず飛び込んでしまいました」と、ご挨拶しながら森琴石に関する基本的な資料をお渡し致しました。
●お二人からも名刺を頂戴し、吉井氏熊谷氏という方と分かりました。

資料に目を通して頂きながらお話しさせて頂きました。
熊谷氏が隣室の「版木」の倉庫を案内して下さる事となり色々と説明をして下さいました。版木は倉全体の天井まで積み上げられており、版木やそれらを束ねた縄の色目など、歴史の深さを感じる景観に圧倒されてしまいました。片隅に多数の書簡が纏めた棚があり、熊谷氏が「暇が無くこの手紙類はまだ手つかずのままなんですよ」と、おっしゃられたのが印象的でした。私は「もったいないなあ、恐らく歴史的な事実が潜んでいるはず!」と思った事でした。
倉庫を案内して頂いている間に、吉井氏は手製の「森琴石【響泉堂】著書一覧」をご覧になり、明治24年刊『新編墨場必携 題画詩集』が芸艸堂から出版されている事を教えて下さいました。
●いきなりお邪魔した老舗に、森琴石の著書が出版されていた事を知り大変感激致しました。

時刻が事務所の終業時間を過ぎたと思われ、「夕刻に突然お伺いし、貴重なものを見せて頂き有難うございました。今後とも宜しくお願い致します」というようなご挨拶をして芸艸堂を後にしました。


平成
137
芸艸堂:吉井幹雄氏より
山名友石『珍花図譜』のお知らせを頂く

●芸艸堂に急遽訪問、2週間経った頃、芸艸堂の吉井幹雄氏よりご連絡を頂きました。
内容は「森琴石門弟表」を見ていたら、山名友石という人の『珍花図譜 上下』を、明治38年(1905)我が社が出版している事が分かりました」との事でした。
●それはそれは嬉しかったですねえ!!

大阪の先生方と芸艸堂を訪問
『珍花図譜』…構図、色使いの巧みさに驚愕

●上の出来事を大阪の熊田司、橋爪節也先生に報告し、「芸艸堂様を訪れ山名友石の『珍花図譜』を拝見させて頂きませんか?」と提案致しました。
●両先生方も興味を持って提案に応じて下さいました。
●先生方、芸艸堂様、夫の隆太、3者の日程の調整をし、7月12日の夕方5時頃にお伺いする事になりました。
●7月12日当日、
仕事を早く終えて貰った夫の隆太とは京都駅で待ち合わせをし、同じく仕事の調整をつけて頂いた先生方とは直接芸艸堂様でお会い致しました。
●名刺交換、ご挨拶のあと、吉井氏が『珍花図譜』を出して下さいました。
●先生方は白い手袋をはめ『珍花図譜』のページを徐々に繰られていきました。

             ・・・つづく・・・

 

 

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